その通説って本当?

親と子が同じベッドで眠る「添い寝」は、世界中で古くから行われてきた習慣です。親子の絆を深めたり、夜間の世話を楽にしたりする効果があると言われる一方で、子どもの安全を心配する声も根強くあります。

この習慣が子どもの発達や安全にどのような影響を与えるのか、これまでの研究結果を整理して見ていきます。添い寝は本当に子どもにとって良いことなのでしょうか、それとも避けるべきことなのでしょうか。

通説が広まった背景

添い寝については、物理的・心理的な利点があるという主張と、安全上の危険があるという主張が混在しています1。また、家庭の経済状況や文化的な背景が添い寝の選択に大きく影響しており、何が直接的な原因かを判断することが難しくなっています12

検証エビデンス

研究対象・方法主な結果この通説への意味
Dasら(2021)3健康な新生児を対象に、添い寝とそれ以外で眠る場合を比較した複数の研究をまとめました。添い寝には母乳育児の期間が長くなるなどの利点がある一方、突然亡くなるリスクを高める可能性も示されました。利点と危険性の両方が指摘されており、安全面での懸念が残ります。
Mileva-Seitzら(2017)1添い寝に関する659件の論文を詳しく調べ、その内容を整理しました。添い寝の利点や危険性について、説得力のある証拠が不足しており、一般的な結論を出すのは難しいと分かりました。研究ごとの調べ方の偏りがあり、一概に良し悪しを決められません。
Tetiら(2022)2生後6か月までの124家族を対象に、眠る場所のパターンと家庭環境の関係を調べました。添い寝をする家庭は、収入や学歴などの環境面でリスクを抱えている場合が多いことが分かりました。添い寝そのものの影響か、家庭環境の影響かを分けるのは困難です。

添い寝に関する研究を整理すると、利点と危険性の双方が報告されていることが分かります。一部の研究では、母乳育児が続きやすくなることや、赤ちゃんの体温が安定しやすいといった生理的な利点が確認されています3

しかし、赤ちゃんが眠っている間に突然亡くなってしまうことのリスクについては、多くの専門家が注意を促しています34。このリスクは、家庭の環境や親の生活習慣と深く結びついていることが多く、添い寝だけが原因とは言い切れない複雑さがあります12

また、これまでの研究の多くは、家庭の収入や学歴などの環境要因を十分に考慮できていないという指摘もあります12。そのため、添い寝が子どもの発達にどのような影響を与えるかについて、現時点では一貫した結論を出すことが難しい状況です15

研究全体の動向

添い寝には、夜間の世話がしやすくなるなどの利点がある一方で、安全面でのリスクも指摘されています31。家庭の環境要因が添い寝の習慣と強く結びついているため、添い寝そのものが子どもの発達にどう影響しているかを特定することは、現時点では難しいと言えます12

留意点

  • 研究の多くは、家庭の収入や学歴などの環境要因が添い寝の習慣と混ざり合っており、添い寝そのものの影響を切り分けるのが難しいです。
  • 「添い寝」の定義が研究によって異なる場合があり、結果を単純に比較できないことがあります。
  • この内容は一般的な研究結果をまとめたものであり、個別の家庭における安全を保証するものではありません。
  • 赤ちゃんが眠っている間に突然亡くなってしまうことのリスクについては、最新の専門的なガイドラインを確認することが大切です。

結論

添い寝が子どもの発達や安全に与える影響については、利点と危険性の双方が報告されており、現時点で一貫した結論は出ていません31。家庭の環境要因が添い寝の習慣と深く関わっているため、添い寝そのものが直接的な原因であると判断することは困難です12

引用元

  1. Viara R Mileva-Seitz, Marian J Bakermans-Kranenburg, Chiara Battaini, Maartje P C M Luijk (2017). Parent-child bed-sharing: The good, the bad, and the burden of evidence.. Sleep medicine reviews. 2 3 4 5 6 7 8 9 10

  2. Douglas M Teti, Kaitlin M Fronberg, Heidi Fanton, Brian Crosby (2022). Infant sleep arrangements, infant-parent sleep, and parenting during the first six months post-partum.. Infant behavior & development. 2 3 4 5 6

  3. Rashmi R Das, Mari Jeeva Sankar, Ramesh Agarwal (2021). Bed sharing versus no bed sharing for healthy term neonates.. The Cochrane database of systematic reviews. 2 3 4 5

  4. Sophie Jullien (2021). Sudden infant death syndrome prevention.. BMC pediatrics.

  5. Layla Lavallee, Meredith Scannell (2017). Infant bed-sharing: supporting parents to make an informed decision.. Nursing standard (Royal College of Nursing (Great Britain) : 1987).

※ 引用元が実在することに加え、記事の主な記述が引用元の内容と一致しているかも確認しています。ただし、DOIが正しいだけで、研究内容や記事の解釈まで正しいと保証されるわけではありません。